ハボック×ロイ(何時もとほんの少しだけ違う二人)
2007.07.28.Sat.如月さくら
遠慮がちに繋いだ指。

頬を冷やす外気。

夜の闇に浮かぶ星と月。

指先に感じる存在。





ふたしかなもの





部屋に入り感じるのは、まず彼の存在。

それは単純な肉体としてではなく、匂い。

少し苦い、けれどそれが心地良い程度のもの。


何も言わず、言われなくとも、
ソファのすぐ前に、しゃがみこむ様にして座る。
直ぐにココアの入ったマグカップを手渡された。

「・・・何で、其処に座るんスか。」

不服そうな顔で見られる。

けれど、これはいつもの事。
機嫌が良かろうと悪かろうと、そんな事は関係無い。

ハボックは不満そうなまま、しかしいつも通りにソファに座る。
両の脚の間に、私が来るようにして。


あたたかな液体が、口から、喉へ、身体の中を満たしていく。

「・・・大佐。」

そして外側から、
何か恐ろしいものから護られるかのように抱きしめられる。

そう。
これも、いつものこと。

甘えて欲しいのだと。
頼って欲しいのだと。
弱くても、良いのだと。

いつも、私に言う言葉。

君が私に届ける想いは、
いっそ恋とか、愛とか、単純なものでは無かった。

「大佐、大佐。ねぇ、大佐。」

甘い声では、無かった。
けれど、それは大した事では無かった。

いつもの、ことだ。

「大佐?」

部屋と同じ匂い。
苦い、けれど優しく包み込む香り。

「・・・どしたんスか。」

ぎゅ、と廻された腕に力が入る。
表情は見えないが、構わない。

これも、いつものこと。

そう、変わらない。
いつも、同じ。

優しい言葉。
甘い言葉。
あたたかい言葉。
聞きたくない、言葉さえも。

「大佐。ねぇ、大佐・・・・・・」

囁かれたのは、優しい音色。
告げられた言葉は、甘さを帯びていた。



私に与えられるもの。
それは多分、不確かな想いだけ。



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This fanfiction is written by SakuraKisaragi.
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