ハボック×ロイ(アネモネの花言葉より)
2007.07.22.Sun.如月さくら
先に声をかけたのは私だった。
笑ってついて来た時は驚いたが。

冗談のつもりで誘ってみた。
本気になるとは考えてもいなかったから。





Lily of field  Side:R





気付けばそこは自分の部屋では無かった。
普段とは違う寝心地。
そう云えば、自分の部屋には帰らなかった事を思い出す。

外の様子は分からなかった。
けれど、どうやら長い時間眠っていたようだった。
最近はあまり眠れないのだと、誰かに話した気もしたが。

独りで寝るには広すぎるベッドの上で、
自分の部屋とは違う天井を見上げる。
隣に残る微かな温もりは、私以外の誰かが居た証拠だろうか。

喉が妙に渇いている事に気付く。
けれど、そんな事はどうでも良かった。
身体が妙にだるかったが、理由を思い出す事すら面倒だった。

誰も居ない部屋。
微かに残っていたはずの温もりは、
そこに初めから何も無かったかの様に、既に冷え切っていた。
その事実に背を向けて、目を閉じる。
再び広がる真っ暗な闇に、私は何を感じただろう。


ふと、暖かなものに包まれる。
それが人の腕で、身体で、抱きしめられている事に気付く。

「・・・少尉・・・・・・?」

冷たくなっていたはずの全てが、熱を帯びていく。

「どうしたんだ・・・?もう、朝か・・・・・・?」

喉がひりつく程に痛かった。
掠れた声で、それでも意味など無い質問をしてみた。

見つめる先に居るのは、この身体に温もりを与えてくれる存在。
暗闇でも目に入る、金色の髪と綺麗な碧の瞳。

「いえ・・・もう少し、寝ましょう。」

答えて、視界を遮断されてしまった。
抱きしめる腕の力も、少し増したようだった。



何も無い世界で、ただその温もりに抱かれて。
闇の中でも、その声だけは確かに聞こえた――。



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This fanfiction is written by SakuraKisaragi.
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