アルフォンス×エドワード(ハギの花言葉より)
2007.07.14.Sat.如月さくら
いつだっただろう。
傍に居る大切な存在に、気付いたのは。





おもい





外は相変わらず、天気が悪かった。
噂を辿ってやって来た街はそんなに大きくはなかったけれど、
煉瓦で造られた住宅と細い路地が、物語に出てきそうな雰囲気で。
此処へ来た時も、何だか少しだけ、ウキウキした。


ボクと兄さんは、あれからずっと探し物をしている。
場所も、天気も、そんなもの関係無かった。
いつも一緒。
ずっと一緒。
だって、二人きりの家族だから。

図書館の蔵書を片っ端から調べる。
別に今に始まった事じゃ無いから、ボクも兄さんも慣れたものだった。
二人して黙々と本を読んで、
あーでもないこーでもないって議論したりもする。
兄さんは、放っておくとずーっと本を読み続けるクセがある。
時間なんて関係無く、ただ只管読み続けるんだ。
集中してるって意味では、凄い事なんだけど・・・
兄さんの場合は、ちょっと極端すぎる。
だから代わりに、ボクがしっかりしなきゃ。
だって、たった一人の兄さんだから。



兄さんは、ボクが用意した食事をさっさと片付けて、
まだまだ手のつけていない本の山に立ち向かっていった。
あんな小さな身体の、
――なんて言ったら、きっと兄さんはすっごく怒るんだろうけど――
どこにそんな力があるんだろう、ってぐらい、
兄さんは積み上げられた本をもの凄いスピードで読破していく。
ボクはそんな兄さんの姿を、
自分も本を読みながら、こっそりと、盗み見た。


お揃いだったはずの、金色の髪と瞳。

今は服で隠れて見えない、右腕と左足の機械鎧。


「アル?」
ふと、声をかけられて現実に引き戻された。
どうやら、少し考え過ぎていたみたいだった。
「な、なぁに?兄さん。」
離れていたはずなのに随分と近くて焦ってしまう。
「ボーッとしてたぞ。どうした?疲れたか??」
何時の間にこんなに傍まで来ていたんだろう。
「それとも、何か悩み事か??」
顔を覗き込んで、心配そうな声で聞いてくる。
「兄ちゃんに話してみなさいっ」
本なんて投げ出して、子供みたいに抱きついてくる。
あぁ、そっか。
ボクも兄さんも、まだまだ子供なんだった。



今はまだ良く分からないこの想いも、
もう少し大人になったら分かるのかな・・・?
いつか伝えられる日が来ると良いな。
ボクの大切な・・・だいすきなひと。



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This fanfiction is written by SakuraKisaragi.
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