ハボック×ロイ(司令部、お気に入りの場所へ)
2007.07.14.Sat.如月さくら
何となくその場に居るのが嫌になり、仕事に没頭しだしたのが昼前。
気付けば、外は既に薄暗くなっていた。
肌寒く感じ出した外の空気は、
しかし何故か今日の身体には心地良いぐらいだった。
なんでもないこと
やる気になればできるものだと部下に褒められたのが昼過ぎ。
少し出てくる、と告げてそのまま此処に居る。
気付けば、外は夕闇に染まっていて。
誰かを待っているとか、何かから逃げているとか、
今日は全くそういうイベントはなく、
ただ時間だけが変わらず流れている。
何をする訳でもなく、
樹の幹に身体を預け、葉や、枝を眺める。
時折風に揺れるそれらと、陽の光に目を細める。
その場にただ座っているだけで、気付けば外は月や星が見えはじめる。
「・・・何してんスか。」
ふと、足元から声がする。
手頃な枝へと登り、見上げないと気付かれない場所。
お気に入りのまったりスペースを知っているのは、一部の部下たちだけ。
「んなトコで・・・風邪ひきますよ。」
まさか昼からずっと?と、呆れ顔で言うのは、
この場所を知っている部下のうちのひとり。
「さっさと降りて下さい。帰りますよ。」
ほら、と手を差し出して、降りて来いと促される。
いつもこの場所へ迎えに来るのは、ハボックだった。
「大佐。」
降りる気配のない私に、もう一度腕を伸ばす。
引き摺り降ろされたり、先に帰ったりされた事は、今の所無い。
「・・・た、」
「少尉、行くぞ!」
言葉を紡ごうとしたハボックを制し、
相手の了承も得ずに枝に手を置くとそのまま飛び降りる。
「たっ、大佐っ・・・!!」
危ない、と言葉を続けられぬまま、
しかしその素早い反射神経で私の落下地点へと軽く移動。
「っつぁ〜〜・・・」
上から軽く抱きついただけ、と云う距離なのに、
ハボックは大袈裟に地面に座り込んでいる。
「失礼なヤツだな。」
上官のひとりやふたりぐらい片手で支えてみせろ、と無茶な事を言ってみる。
「いきなり飛び降りる人がありますかっ」
怪我したらどうするんです、と少し怒った様に言われる。
「・・・・・・すまない。」
ちょっとからかってやろうと思っただけなのに。
そんな事を言っても、しょうがない。
実際、ハボックは怪我をしてしまったかもしれないのだから。
「あんまり心配させんで下さい・・・夜も眠れなくなっちゃうっしょ。」
もう、と溜め息をつきながら抱きしめられる。
何処まで本気なのか分からない台詞を言われる。
本人としては、きっと大真面目なのだろうが。
私にとって意味をなさないその台詞に、首を傾げてみせる。
「とにかく、もう帰りますよ。」
さ、立って。
腕を引っ張り私を立たせ、服についた汚れを払う。
面倒見の良いハボックは、何処か嬉しそうだ。
「ね、大佐。今夜は大佐ん家に行っても良いっスか?」
無邪気な顔で聞いてくる。
「ダメに決まってるだろう。」
本を滅茶苦茶にするから、という理由で。
「じゃあ、俺の家。」
はじめからそのつもりだった。
何故だか分からないけれど、
自分の部屋よりも落ち着くハボックの寝室。
私よりも逞しい腕に抱かれて、そのまま夢を見る。
「・・・まだ、寝てて良いっスよ。」
少し掠れた低い声で囁かれる。
夢を見続けているような時間。
過ぎて行くのは、昨日と同じだけの時間。
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にゃんこのしっぽ
This fanfiction is written by SakuraKisaragi.
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